Japanese
English
症例報告
糖尿病患者に生じたepithelioma cuniculatumの1例
A case of epithelioma cuniculatum in a diabetic
山上 淳
1
,
田中 京子
1
,
藤本 篤嗣
1
,
杉浦 丹
1
Jun YAMAGAMI
1
,
Kyoko TANAKA
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡県立清水病院
1Depertment of Dermatology,Shizuoka Shimizu Municipal Hospital
キーワード:
epithelioma cuniculatum
,
verrucous carcinoma
,
難治性潰瘍
,
糖尿病性潰瘍
Keyword:
epithelioma cuniculatum
,
verrucous carcinoma
,
難治性潰瘍
,
糖尿病性潰瘍
pp.370-372
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100468
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63歳,男性.8年前の外傷を機に左踵に潰瘍を生じ,各種治療に抵抗性であった.臨床的に径2cmの潰瘍と周囲の角化性局面を認め,中央部の潰瘍と連続して洞穴状の瘻孔が多数形成されていた.組織学的に著明な過角化と乳頭状の表皮肥厚を認めたが,基底層は保たれており,真皮への浸潤は認めなかった.基底層に細胞分裂像が散見されたが,構成する細胞の異型性は明らかでなかった.epithelioma cuniculatumと診断し,1cm離して拡大切除を行った.一般に本症はverrucous carcinomaの一型とされるが,自験例では有棘細胞癌の絶好の発生母地になりうる増殖性病変として位置付けるのが適当と思われ,本症を幅広い概念をもつものととらえた.
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