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文献紹介 進行期血管肉腫に対するパクリタキセル治療においてベバシズマブの併用は有用か
持丸 奈央子
1
1慶應義塾大学
pp.224
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204683
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血管肉腫は全軟部悪性腫瘍の中で稀な疾患であり,かつ悪性度が高い.近年,血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growthfactor:VGEF)が血管肉腫の増殖に関与することや,血管肉腫の多くにVGEFおよびその細胞表面受容体であるVGEF receptorが発現していることが明らかになった.さらにVEGF経路を阻害することで腫瘍増生が抑制されることが報告されており,VEGF阻害薬による治療効果が注目されるようになった.
著者らは,進行した血管肉腫におけるパクリタキセル単剤と,パクリタキセルとVEGFモノクローナル抗体であるベバシズマブ併用の効果についての第Ⅱ相試験を行った.試験は2010〜2013年に14施設52人の患者を対象に実施し,ランダム化比較オープンラベル方式で行われた.6か月目でのprogression-free survival(PFS)率を主要評価項目としてデザインし,併用効果を検討した.結果,単剤群で54%,併用群で57%と有意差はなかった.一方,有害事象については併用群で多く認められた.
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