Japanese
English
症例報告
Bowen病の若年成人例
A young adult male case of Bowen's disease
東福 有佳里
1,2
,
延山 嘉眞
1
,
伊藤 義彦
2
,
中川 秀己
1
Yukari TOFUKU
1,2
,
Yoshimasa NOBEYAMA
1
,
Yoshihiko ITO
2
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2明石医院
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Akashi Dermatology Clinic, Yamagata, Japan
キーワード:
Bowen病
,
若年成人例
,
squamous cell carcinoma in situ
Keyword:
Bowen病
,
若年成人例
,
squamous cell carcinoma in situ
pp.505-508
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204482
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要約 26歳,男性.約3年前より,右大腿に紅色局面を認めていた.初診時,右大腿外側に長径20mmの不整形で痂皮が点状に散在する淡紅色局面を認めた.病理組織学的所見では,表皮全層に極性の欠如する大小不同の核をもつ異型細胞の増殖を認めた.異型細胞は,粗大なクロマチンの凝集を認める核,目立つ核小体,そして,両染性の細胞質を有していた.また,多核巨細胞,異常角化細胞,細胞分裂像も認めた.抗human papilloma virus(HPV)抗体を用いた免疫染色は陰性,PCR法を用いた検索でHPV特異的DNAは検出されなかった.以上よりBowen病と診断した.国内外で臨床像の記載がある40歳未満での報告は16例ある.高齢発症例と比べ,男性に多く,臨床像は黒色調が多く,部位は指が多く,推定される原因はHPVが多い.自験例は,発症年齢のみならず,若年発症例のなかでも,下腿に発症し,HPVの関与がない淡紅褐色局面という稀な臨床像を呈した.
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