これすぽんでんす
CTCLという言葉の使い方について
山田 瑞穂
1
1浜松医科大学皮膚科学教室
pp.496-497
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204107
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「コレスポンデンス」なる欄への投稿が求められているので,言わずもがなのことながら一文をお送りする次第である.臨床皮膚科43巻1号,p.85〜,稲富徹氏らの「初期にはサルコイド反応を呈し,その後自然消退傾向を示したCutaneous T Cell Lymphoma (CTCL)の1例」なる論文を読ませていただいたが,若干の疑問と私見を述べたい.
まず第一に,この症例は菌状息肉症(以下MFと略す)であるのか,違うのかを明らかにしていただきたいと思う.キイワードでCTCLとあるが,内容を読んで,この症例の本体がいかなるものか理解できない.いま,皮膚のリンフォーマについて苦労しているわれわれは,MFをどのように理解すべきかについて真剣に悩んでいる.歴史的に特異なこの疾患の考え方について,最近大変な混乱があり,われわれはこれを明らかにしようと努力しているところであるが,CTCLという言葉がこの混乱に大きく関与している.
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