Japanese
English
原著
尋常性疣贅の発生部位に限局して生じた尋常性乾癬—乾癬発症におけるIFNの関与について
Psoriasis Vulgaris Developed Predominantly on the Lesions of Verruca Vulgaris--The Role of Interferon in Pathogenesis of Psoriasis
小林 勝
1
,
塩原 哲夫
1
,
長島 正治
1
Masaru KOBAYASHI
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Masaji NAGASHIMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
pp.1019-1023
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203992
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両手背の尋常性疣贅の発生部位に限局して尋常性乾癬が生じた54歳,男性例を経験したので2,3の実験を試み,乾癬発症におけるインターフェロン(IFN)の関与についての考察を加えて報告した.即ち,同患者の手関節屈面には全く乾癬の併発を認めない尋常性疣贅がみられたので,これを対照としてDNCB誘発刺激を加えたところ,手背の疣贅では乾癬を生じたものの,手関節屈面の疣贅では乾癬の発症をみず,苔癬型組織反応を呈したのみであった.次いで,エトレチネート内服により乾癬を消褪させた後,残った疣贅に対してインターフェロンα(IFNα)を局注したところ,手背部,手関節屈面の疣贅とも乾癬を生じてきた.この結果から乾癬の発生にはIFNが関与していることが示唆された.
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