Japanese
English
原著
男子性器単純ヘルペスの臨床的検討
Clinical Study on Male Genital Herpes Simplex
郷路 勉
1
,
熊本 悦明
2
,
広瀬 崇興
2
,
坂岡 博
3
Tsutomu GOURO
1
,
Yoshiaki KUMAMOTO
2
,
Takaoki HIROSE
2
,
Hiroshi SAKAOKA
3
1札幌泌尿器科医院
2札幌医科大学泌尿器科学教室
3北海道大学歯学部口腔細菌学教室
1Sapporo Urology Clinic
2Department of Urology, Sapporo Medical College
3Department of Oral Bacteriology, School of Dentistry, Hokkaido University
pp.1025-1030
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203993
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ウイルスの存在を確認し,確定診断を行い得た85例の男子性器単純ヘルペスについて臨床的検討を行ったところ,以下のような結果を得た.過去7年間の年間患者数は急速に増加し,昭和60年では全STDの7.6%,淋菌性尿道炎の31%であった.年齢分布は初発型では20歳代(28%),再発型では30歳代(18%)に多かった.感染源は友人(35.9%)が最も多かった.潜状期は2〜7日が殆どであり,再発の間隔は1〜4カ月が多かった.HSVの型別分布は初発型では1型10.3%,2型89.7%,再発型では1型2.2%,2型97.8%であった.皮疹の好発部位は包皮内板(75.3%)であった.皮疹と鼠径リンパ節の腫脹は初発型では範囲が広くて疼痛が強く,再発型では範囲が狭く疼痛が弱い傾向であった.軽度の発熱は初発型の約40%にみられたが,再発型ではみられなかった.Acyclovir錠の投与で初発型の治癒期間が対症療法の平均21.3日から16.1日に短縮された.
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