Japanese
English
原著
多発性丘疹状毛包上皮腫の5例
Five Cases of Trichoepithelioma Papulosum Multiplex
林 葉子
1
,
菊池 りか
1
,
中島 静香
1
,
肥田野 信
1
Yoko HAYASHI
1
,
Rika KIKUCHI
1
,
Shizuka NAKAJIMA
1
,
Akira HIDANO
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
pp.969-973
発行日 1988年10月1日
Published Date 1988/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203984
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多発性丘疹状毛包上皮腫(TPM)の5例(女4例,男1例)を報告した.臨床像では4症例における顔面の皮疹は典型的で,内1例は頭部に,1例は下腿にも結節があった.他の1例は遺伝的背景を欠き,老人期発症で鼻部に皮疹が3個しかないことから,TPMというよりは孤立性毛包上皮腫の多発型とするのが妥当と考えた.組織学的に,顔面および頭部の皮疹は典型的なtrichoepitheliomaの像を呈した.下腿の1例は腺様構造を主体とするBCE様のtrichoepitheliomaであり,骨異常を認め,母斑症的性格を有した点から,基底細胞母斑症候群との関連性が示唆された.家族内同症を1例で認め,常染色体性優性遺伝と考えられた.1例に胃癌の合併を認めた.
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