Japanese
English
原著
亜急性皮膚エリテマトーデスの1例
A Case of Subacute Cutaneous Lupus Erythematosus
田村 敦志
1
,
石川 英一
1
Atsushi TAMURA
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
pp.555-560
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203913
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
30歳,女性.初診の10年前より日光過敏,3年前よりレイノー現象,関節痛を有する女性に約1年前より日光露出部に瘙痒を伴う紫紅色斑,丘疹が多発するようになった.皮疹は色素沈着を残しながら周辺に拡大し,出没を繰り返した.皮疹部の組織像は,表皮基底層の液状変性と真皮上層に限局した小円形細胞浸潤より成り立っていた.以上の皮疹の特徴より本例をSontheimerらの提唱した亜急性皮膚エリテマトーデスに合致すると考えた.検査上,リウマチ因子は陽性であったが,抗核抗体,抗DNA抗体,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体はいずれも陰性であった.他に,涙液分泌軽度低下,角膜糜爛を認めた.治療として,非ステロイド系消炎剤,プレドニソロン,DDSなどの内服を試みたが効果なく,アザチオプリン50mg内服でよくコントロールされた.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.