Japanese
English
原著
Perifollicular Fibroma—その発生母地と発生機序について
Perifollicular Fibroma--Its Origin and Mechanism
岸本 三郎
1
,
在田 継久
1
,
坂上 佐知子
2
,
筏 淳二
2
Saburo KISHIMOTO
1
,
Tsugihisa ARITA
1
,
Sachiko SAKAGAMI
2
,
Junji IKADA
2
1京都府立医科大学皮膚科教室
2松下記念病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
2Division of Dermatology, Matsushita Memorial Hospital
pp.511-515
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203904
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33歳,女性の前頭部に生じたperifollicular fibromaの1例を報告した.組織学的には,膠原線維が毛包を中心に同心円状,密に増生していた.腫瘍内にみられた毛包は脂腺開口部前後までであり,しかも毛包周囲にリンパ球の密な浸潤がみられた.一部には毛幹に対する異物反応もみられたが,毛包上皮の索状増殖・吻合などはみられなかった.さらに,細胞骨格を構成する中間径フィラメントの一種であるデスミンを免疫組織化学的に染色すると,大多数の腫瘍細胞は陽性で,円形から超紡錘形まで各種の形態を示した.我々がすでに報告したように,この形態学的特徴から本腫瘍細胞はmyofibroblastの可能性が極めて高い.Pinkusは,本症をpure periadnexal adventitial tumorsと記しているが,我々は,さらに押し進めて毛包周囲のadventitia dermisを構成するmyo—fibroblastの腫瘍と考えた.さらに,前述した密なリンパ球浸潤により,円形脱毛症時と同様に毛包上皮の再生が抑制され,perifollicular fibromaの組織学的特徴が形成されるものと考えた.
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