Japanese
English
原著
猫ひっかき病の1例
A Case of Cat-Scratch Disease
若林 淑子
1
,
樋口 由美子
1
,
花輪 滋
1
,
児浦 達朗
1
,
森嶋 隆文
1
Toshiko WAKABAYASHI
1
,
Yumiko HIGUCHI
1
,
Shigeru HANAWA
1
,
Tatsuo KOURA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
1日本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.127-130
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203834
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
36歳,女.初診1カ月前,左手掌を飼い猫にひっかかれ,1週後,左腋窩リンパ節が鶏卵大に腫大した.初発皮膚病変の病理組織学的所見は,表皮直下から真皮中層に壊死ないし類壊死がみられ,これを囲んで柵状配列を示す類上皮細胞層を認め,その外層にリンパ球浸潤を伴い,この所見は本症の診断上,古くから重要視されているリンパ節の所見と基本的には同一であった.リンパ節病変部の壊死部に,Warthin-Starry銀染色陽性多形桿菌が多数認められた.この症例の経験から,初発皮膚病変の病理組織学的検索やWarthin-Starry銀染色陽性多形桿菌の証明が本症の診断法として重視されるべきものと考えられた.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.