Japanese
English
原著
紫外線(UVA)の反復照射によって皮疹の誘発をみた種痘様水疱症の1例
A Case of Hydroa Vacciniforme, Successfully Provocated by Fractionated UVA Irradiation
戸村 敦子
1
,
真家 興隆
1
,
高橋 伸也
1
Atsuko TOMURA
1
,
Okitaka MAIE
1
,
Shinya TAKAHASHI
1
1秋田大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Akita University School of Medicine
pp.75-79
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203823
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8歳,男児の種痘様水疱症例において,Dermarayを用いて紫外線照射試験を行い皮疹の人工的誘発を試みた.その結果,患児においては,UVA 1回照射量17.6J/cm2を24時間おきに連日3日間照射した部位に水疱形成が認められたが,UVA 52.8J/cm2を1回で照射した部位では紅斑が生じただけであった.UVBの最小紅斑量(MED)を連日2日間照射した部位には水疱形成はみられなかった.なお,同じ条件で正常女児にUVA照射を施行したが紅斑および水疱は生じなかった.誘発された水疱の組織像では表皮内および表皮下に水疱が形成され,水疱内には変性,壊死性表皮細胞とフィブリン様物質の析出がみられ種痘様水疱症の組織所見とほぼ同様であった.また,本疾患においての紫外線による人工的皮疹誘発について文献的考察を併せ行った.
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