Japanese
English
原著
グルコン酸クロルヘキシジンによる接触蕁麻疹の1例
A Case of Contact Urticaria of Chlorhexidine Gluconate
杉山 朝美
1
,
林 正幸
1
,
池澤 善郎
2
Asami SUGIYAMA
1
,
Masayuki HAYASHI
1
,
Zenro IKEZAWA
2
1横浜栄共済病院皮膚科
2横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama Sakae Kyosai Hospital
2Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
pp.1031-1037
発行日 1987年12月1日
Published Date 1987/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203794
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グルコン酸クロルヘキシジンによる接触蕁麻疹の1例を経験した.症例は19歳の女性.約1.7%のグルコン酸クロルヘキシジンを使用して手洗いをしたところ,20分後より,前腕から手背にかけて膨疹が出現した.オープンパッチテストでは陰性であったが,スクラッチテストにより紅斑,膨疹が生じ,即時型反応陽性であった.Peroxidase標識抗ヒトIgE抗体を用いて測定した,クロルヘキシジン特異IgE抗体も陽性であった.自験例は,グルコン酸クロルヘキシジンによるⅠ型アレルギー反応で,接触蕁麻疹症候群のstage 1に該当する例と考えられた.さらに,対称構造をとるクロルヘキシジンの半分の構造を有するクロルグアナイドを用いて,オープンパッチテスト,スクラッチテストを行ったが,結果はいずれも陰性であった.
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