Japanese
English
原著
無汗症を続発したコリン性蕁麻疹の1例
A Case of Cholinergic Urticaria Followed by Anhidrosis
相原 道子
1
,
林 正幸
1
,
中嶋 弘
1
Michiko AIHARA
1
,
Masayuki HAYASHI
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
pp.619-623
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203075
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無汗症を伴ったコリン性蕁麻疹の1例を報告した.患者は30歳の男性で,初診の約半年前から運動時や入浴時に,全身に白色の膨疹が出現するようになった.この頃から発汗の減少を訴え,初診の約半年後には全身性無汗症となった.ニコチン酸,10%塩化ナトリウム,塩化アセチルコリンの皮内試験で膨疹を形成し,前2者では衛星状の紅斑を伴った.アトロピン試験,アドレナリン試験は正常であったが,ピロカルピン投与による発汗試験は陰性であった.皮膚組織所見では,真皮中・下層の汗管周囲にリンパ球浸潤が認められたが,汗腺の周囲には細胞浸潤はみられず,管腔内にはエオジン好性の分泌物が認められた.PAS染色では,リンパ球浸潤を伴った汗腺で多数の空胞が認められた.
以上報告するとともに,本例の後天性全身性無汗症の発症機序について考察した.
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