Japanese
English
原著
リンパ節転移を伴ったTrichilemmal Carcinomaの1例
A Case of Trichilemmal Carcinoma with Regional Lymph-node Metastasis
荒 政明
1
,
渋谷 真理子
1
,
松本 光博
1
,
飯塚 一
1
Masaaki ARA
1
,
Mariko SHIBUYA
1
,
Mitsuhiro MATSUMOTO
1
,
Hajime IIZUKA
1
1旭川医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical College
pp.893-896
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203769
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72歳,女性.初診の約6年前に,左大腿外側に軽度の瘙痒を伴う赤色丘疹が出現.徐々に増大し,初診時には3.5×3.7×1.0cmの暗赤色腫瘤となった.生検時の組織像は,分葉した大小の胞巣からなる上皮性腫瘍で,一部で毛嚢および表皮と連続し,中心部には好酸性無構造の壊死像を認めた.細胞は大型で細胞質が明るく,PAS陽性物質を含み,異型性が強く,多数の核分裂像も認められた.Trichilemmal carcinomaの診断のもとに広範囲切除術を施行したが,術後6カ月目に左鼠径リンパ節に転移したため,当該リンパ節を切除し経過観察中であるが,現在再発および他部への転移は認めていない.自験例を報告するに当たり,いわゆるtrichilemmal carcinomaにおける外毛根鞘性角化について,若干の文献的考察を加えた.
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