Japanese
English
症例報告
Trichilemmal Carcinomaの1例
A Case of Trichilemmal Carcinoma
木花 いづみ
1
,
石河 晃
1
,
生冨 公明
1
,
岸本 宏志
2
Izumi KONOHANA
1
,
Akira ISHIKO
1
,
Masaaki IKUTOMI
1
,
Hiroshi KISHIMOTO
2
1川崎市立川崎病院皮膚科
2川崎市立川崎病院病理
1Division of Dermatology, Kawasaki Shiritsu Kawasaki Hospital
2Division of Pathology, Kawasaki Shiritsu Kawasaki Hospital
キーワード:
毛包癌
,
trichilemmal carcinoma
,
電顕学的所見
Keyword:
毛包癌
,
trichilemmal carcinoma
,
電顕学的所見
pp.971-974
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204198
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90歳,女性.右頬部に生じたtrichilemmal carcinomaを報告した.初診時,10×12×4mm,弾性硬,淡紅色肉芽腫様結節を認めた.組織では,分葉した大小の胞巣からなる上皮性腫瘍で,一部で表皮および毛包と連続する.腫瘍細胞は胞巣辺縁から中央に向かい,basaloid cellからPAS陽性物質を含む,大型のclear cellに移行し,分裂像,核の異型性も認められた,多くの胞巣の中央部に,好中球を混じた好酸性無構造物質を認め,電顕学的には壊死の所見であった.真皮中層から深層にかけて浸潤性増殖を呈し,一部に角質嚢腫様構造を認めたことから,自験例のような症例は,外毛根鞘由来の悪性腫瘍として包括的にtrichilemmal carcinomaと呼ぶのが適当と思われた.
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