Japanese
English
症例報告
リンパ節転移を伴ったMalignant Proliferating Trichilemmal Cystの1例
A Case of Malignant Proliferating Trichilemmal Cyst with Metastasis to the Regional Lymph Node
山本 俊幸
1,2
Toshiyuki YAMAMOTO
1,2
1桐生厚生総合病院皮膚科
2東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Kiryu Kosei General Hospital
キーワード:
malignant proliferating trlchilemmal cyst
,
リンパ節転移
Keyword:
malignant proliferating trlchilemmal cyst
,
リンパ節転移
pp.905-907
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901009
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60歳,女性の側頭部に生じ,リンパ節転移を伴ったmalignant proliferatingtrichilemmal cyst(MPTC)の1例を報告した.初診時右側頭部に径4.5cmの広基性紅色腫瘤を認め,初診の約4カ月後に頸部リンパ節転移を認めた.組織は,原発巣,転移巣ともに,大小の分葉状構造と嚢腫様構造を認め,腫瘍は好塩基性の基底細胞様細胞とエオジンに淡染する大型のclear cellとからなり,核の大小不同,分裂像などの異型性が著明に認められた.MPTCの本邦報告43例を集計し,リンパ節転移を伴う14例と,リンパ節転移,皮膚転移,遠隔転移の認められない27例とを比較検討した.さらに,初診からリンパ節転移までの期間につき考察を加えた結果,MPTCがリンパ節転移をきたす頻度が有棘細胞癌に比して高率にみられるとともに,MPTCの転移は比較的早期よりみられることが観察された.
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