Japanese
English
原著
人工紫斑—自己赤血球感作症候群と類似した臨床像を呈した1例
Factitious Purpura--Report of a Case with the Clinical Appearance Simulating Autoerythrocyte Sensitization Syndrome
東山 真里
1
,
喜多野 征夫
1
,
上西 国宏
2
,
頼藤 和寛
3
Mari HIGASHIYAMA
1
,
Yukio KITANO
1
,
Kunihiro UENISHI
2
,
Kazuhiro YORIFUZI
3
1大阪大学医学部皮膚科教室
2国立大阪病院精神科
3大阪大学医学部精神科教室
1Department of Dermatology, Osaka University School of Medicine
2Division of Psychiatry, National Osaka Hospital
3Department of Psychiatry, Osaka University School of Medicine
pp.751-754
発行日 1987年9月1日
Published Date 1987/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203743
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自己赤血球感作症候群は20〜30代の女性の四肢に好発し,限局性の疼痛と腫脹を伴う紫斑を主徴とする疾患である.本症例は自己赤血球感作症候群ときわめて類似した病像を呈していたが,打撲による自傷行為を確認し人工紫斑と診断した.本症例においては自己赤血球皮内注射により紫斑は誘発されず,血液凝固線溶系には異常を認めなかった.自己赤血球感作症候群の患者には特有な性格や精神的偏りがあることがしばしば報告されているので,自験例のような人工紫斑を注意して鑑別する必要がある.
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