Japanese
English
原著
Hemangiopericytomaの1例—デスミン,ビメンチンの免疫組織化学的検討
A Case of Hemangiopericytoma--Immunohistochemical Investigations of Desmin and Vimentin
平野 眞也
1
,
若林 俊治
1
,
岸本 三郎
1
Shinya HIRANO
1
,
Syunji WAKABAYASHI
1
,
Saburou KISHIMOTO
1
1京都府立医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.345-350
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203646
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60歳男性の手掌に生じたhemangiopericytomaの1例を報告した.光顕的には多数の不整形の管腔周囲に円形ないし類円形の腫瘍細胞が不規則な増殖を示す所見が大部分であったが,一部で血管平滑筋腫で見られるような,紡錘形の腫瘍細胞が管腔を厚く層状に取り囲む像も見られた,電顕的には大部分の腫瘍細胞はpericyteの特微を有していたが,一部でdense body,attachment plateを持ち,平滑筋への分化を示す細胞も見られた.一方,細胞骨格を構成する中間径フィラメントであるデスミン,ビメンチンを免疫組織化学的に観察したところ,大多数の腫瘍細胞はデスミン陽性であり,ビメンチンにも陽性を示した.しかも腫瘍細胞は長い突起を持ら,蜘蛛状の特徴的な細胞形態を示した.光顕的には本腫瘍は比較的診断が困難であるが,デスミン,ビメンチンの免疫組織化学的検索によりその診断が容易となり,特にデスミンが本種瘍の診断に有用と考えられた.
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