Japanese
English
原著
Clobetasol 17-Propionate軟膏外用による医原性クッシング症候群の1例—下垂体副腎皮質機能正常化の遅延
A Case of Iatrogenic Cushing's Syndrome Associated with Clobetasol 17-Propionate for Topical Use
石原 隆
1
,
土井 顕
1
,
早稲田 則雄
1
,
倉八 博之
2
,
菱川 秀夫
2
,
大郷 典子
2
,
宗 義朗
2
Takashi ISHIHARA
1
,
Norio WASEDA
1
,
Hiroyuki KURAHACHI
1
,
Akira DOI
2
,
Hideo HISHIKAWA
2
,
Noriko OHGO
2
,
Yoshiroh SOH
2
1神戸市立中央市民病院内分泌内科
2神戸市立中央市民病院皮膚科
1Department of Internal Medicine, Kobe Central Municipal Hospital
2Department of Dermatology, Kobe Central Municipal Hospital
pp.181-186
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203616
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59歳の女性で広汎な尋常性乾癬治療のためclobetasol軟膏1日7.5〜10gを2年間全身に単純塗布することにより,典型的なクッシング症候群が発症した.血中ACTH,cortisolおよび尿中17-OHCS,17KSは全て測定感度以下で,ITT,rapid ACTH負荷にても無反応であった.Clobetasolを4カ月かけて漸減し中止したにも拘わらずcortisolは依然として測定感度以下で,ITT,rapid ACTH,CRF負荷にても反応性は充分でなく,ACTH・Z刺激や経口ステロイド剤の補償を要した.塗布治療をRinderon VG軟膏®2.5g/日に変更して約7カ月後,体重は徐々に30kg減少し乾癬も改善し,ACTH 71pg/ml,cortisol 10μg/dlと正常化した.Clobetasolによる医原性クッシング症候群の発症は稀ではあるが有り,1週100g以上の連続使用で発症の可能性が示唆されてきた.しかし,本症のように50g前後でも発症の可能性があり,発症後は長期間,下垂体副腎皮質機能抑制が持続するのでwithdrawal shockに注意して漸減することが肝要である.
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