Japanese
English
原著
リンパ本幹系異常に基づく皮膚リンパ管拡張症
Lymphangiectasia Due to Central Lymphatic Dysplasias
浅野 翔一
1
,
宮崎 孝夫
1
,
遠藤 秀彦
1
,
津田 道夫
2
Shoichi ASANO
1
,
Takao MIYAZAKI
1
,
Hidehiko ENDO
1
,
Michio TSUDA
2
1兵庫医科大学皮膚科教室
2宝塚市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hyogo College of Medicine
2Department of Dermatology, Takarazuka City Hospital
pp.601-607
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203284
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40歳,男性.約20年前,陰嚢部打撲後,同部の皮膚に白色調の小水疱様皮疹が生じ,その後,皮疹は増数,増大し,破れると乳ビ様液が漏出するようになった.また,いつしか四肢末端部皮膚に軽度の角化性肥厚が出現した.リンパ管造影により後腹膜のリンパ管ならびにリンパ節の増加が確認された.この所見はlymphographicalにcentrallymphatic hyperplasiaと称されるものである.以上の所見から本症例は先天的なリンパ管系の異常に基づく潜在的なリンパの還流障t害が想定され,陰嚢部にリンパ管拡張が生じたのは打撲が一つの契機になった可能性が推察された.
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