Japanese
English
原著
続発性皮膚クリプトコッカス症の1例
Secondary Cutaneous Cryptococcosis
池内 恒雄
1
,
武田 克之
1
Tsuneo IKEUCHI
1
,
Katsuyuki TAKEDA
1
1徳島大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokushima University School of Medicine
pp.523-528
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203271
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症例は78歳女性.下腿の点状出血を主訴として昭和57年1月25日に来院し,アナフィラクトイド紫斑と診断されて入院.ステロイド治療で皮疹の出没を繰り返したが,2月中旬頃より呼吸器症状が現われ,喀痰排出困難のため気管切開し,種々の抗生剤を併用した.発熱,血痰,胸部X線陰影などの改善はなく,5月より髄膜刺激症状が現われ,同月中旬,右前腕に小豆大までの小結節が出現.生検の結果,クリプトコッカス症と診断.髄液,喀痰,皮疹分泌物の墨汁標本からも胞子を証明.同月末,アムホテリシンBと5FCを投与したが同日死亡した.剖検で全身各臓器にCryptococcus neoformansの菌体が証明された.本邦の皮膚クリプトコッカス症およびその髄膜炎の近年の動向,予後,治療などにつき若下の考察を加えた.
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