Japanese
English
原著
Malignant Histiocytosisの1例
A Case of Malignant Histiocytosis
高橋 祥公
1
,
小林 仁
1
,
磯部 宏
2
Yoshimasa TAKAHASHI
1
,
Hitoshi KOBAYASHI
1
,
Hiroshi ISOBE
2
1北海道大学医学部皮膚科教室
2北海道大学医学部第1内科教室
1Department of Dermatology, Hokkaido University School of Medicine
21st Department of Internal Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.503-507
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203267
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64歳,男性.初診の約4カ月前から四肢に紅斑が出現し,次第に拡大して結節,潰瘍を伴ってきた.同時に全身倦怠感,発熱が出現してきた.諸検査で汎血球減少症,肝脾腫が認められ,初診の1カ月後にDICを併発して死亡した.組織学的には腫瘤形成のない組織球様の大型の異型性に富む細胞がびまん性に浸潤しており,電顕でそれらの細胞はlysosome, phagosomeが存在し,細胞内小器管が豊富であり組織球由来であることが確認された.以上の所見より,malignant histiocytosis (MH)と診断した.最近,MHはT-zone組織球由来(S−100蛋白陽性)であると報告されているが,本症では陰性であった.MHは類似する症状を呈する一群の疾患を独立した疾患単位として提唱したものであり,単一の疾患とするには今なお問題が多いと思われる.
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