Japanese
English
原著
悪性化(ボーエン状態)した汗孔角化症の1例
A Case of Porokeratosis Mibelli Associated with Malignancy
向井 秀樹
1
,
鶴町 和道
1
,
木村 康隆
1
Hideki MUKAI
1
,
Kazumichi TSURUMACHI
1
,
Yasutaka KIMURA
1
1鹿島労災病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kashima Rousai Hospital
pp.497-501
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203266
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71歳,男.40年前より四肢に汗孔角化症がある.10年前より,右下腿内側部の皮疹が黒色調となる.同部の組織像にて,病巣辺縁部にcornoid lamellaを認め,中央部は表皮内癌の所見がみられた.しかし,明らかなclumping ccllsや空胞化細胞は認められず,汗孔角化症より生じたボーエン状態と考えた.汗孔角化症の悪性化は,我々が調べえた限り現在まで19例の本邦報告例がある.そこで,これらをまとめ若干の統計的考察を加えた.さらに,下肢の汗孔角化症および表皮内癌の組織像にて,真皮上層に多量のアミロイドの沈着をみた.このアミロイドは,DAKO社の抗ケラチン抗体およびDACM染色によるS-S結合が陽性となったことより,表皮細胞由来のものと考え,続発性皮膚限局性アミロイドーシスと診断した.
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