Japanese
English
原著
卵黄腸管遺残
Remnant of Omphalomesenteric Duct
伊藤 薫
1
,
伊藤 雅章
1
Kaoru ITO
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.51-54
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203183
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13歳,男児の臍部の卵黄腸管遺残の1例を報告した.本例は,生下時より臍部に滲出液が認められ,7歳頃,同部の紅色小腫瘤の存在に気付かれていた.運動時に軽度の出血が見られたが,疼痛はなく,消化器症状は特に認められなかった.臍部の腫瘤は小指頭大の軟らかい紅色腫瘤で,表面は湿潤性で,出血を認めた,瘻孔は認められなかった.組織学的に腫瘤部の真皮上層に小腸粘膜上皮組織を認め,その下方に真皮深層に向かって延びる結合組織の索状構造物をみた.その索状構造物の中に幽門腺組織がみられた.本例は臨床的には臍部表面の臍ポリープに最も近いが,真皮深層の索状構造物の合併した例と考えた.
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