Japanese
English
原著
5-FCにより光線過敏症を起こし温熱療法によって治癒したクロモミコーシスの1例
A Case of Chromomycosis with Photosensitivity Due to 5-FC
高橋 泰英
1
,
黒沢 伝枝
1
,
中嶋 弘
1
,
丸山 光雄
2
Yasuhide TAKAHASHI
1
,
Tsutae KUROSAWA
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
,
Mitsuo MARUYAMA
2
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
2横浜船員保険病院皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
2Department of Dermatology, Yokohama Seamen's Insurance Hospital
pp.697-702
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203088
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5-Fluorocytosine(5-FC)により光線過敏症を起こしたため,局所温熱療法を施行し治癒せしめたクロモミコーシスの1例を報告した.症例は51歳,男性.初診8年前より前腕伸側に皮疹があり,KOH法にて鱗屑中に,また病理組織標本にて膿瘍ないし肉芽腫中に,sclerotic cellsを確認.組織片を培養し,Fonsecaea pedrosoiを分離.5-FC 200mg/kg(12g/日)内服で皮疹はやや軽快したが,3週間後に裸露部に皮疹出現.5-FCによる光線過敏症を疑い内服中止したところ速やかに消失.クロモミコーシスの治療は以後,化学カイロによる局所温熱療法に変更.約5カ月後,軽度の瘢痕を残し治癒.その後,再発を見ない.分離菌は39℃以上で発育が抑制された.あわせて本邦における5-FCの副作用,特に薬疹についての集計と,化学カイロ貼布後の皮膚温の変化について若干の考察を加えた.
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