Japanese
English
原著
汎発性環状肉芽腫の1例—病変中に出現する組織球および変性膠原線維の電顕像について
A Case with Generalized Granuloma Annulare:Ultrastructure of Histiocytes and Degenerated Collagen
下田 肇
1
,
伊崎 誠一
1
,
丹治 修
1
Hajime SHIMODA
1
,
Seiichi IZAKI
1
,
Osamu TANJI
1
1岩手医科大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Iwate Medical University School of Medicine
pp.645-650
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203079
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汎発性環状肉芽腫の75歳・男性例を経験し,肉芽腫を構成する膠原線維と組織球の微細構造を電顕的に検索した.初診時,前胸部・肩甲部・上背部及び手背に9〜15mmの環状に配列する赤褐色小丘疹を多数散在性あるいは融合性に認めた.組織学的検索では真皮全層に膠原線維の変性像,それらに混じ線維芽細胞・リンパ球・組織球が認められた.一部では柵状肉芽腫の典型像を呈していた.電顕的には膠原線維の類壊死性変化が認められ,組織球・線維芽細胞には著明な活性化像が認められた.紐織球は粗面小胞体の発達した結核結節型と空胞形成の多いサルコイドーシス型が混在する像を呈した.このような組織球の変化は金属アレルギーに伴う肉芽腫によく見られる変化であり,環状肉芽腫の発症因子に何らかの示唆を与えるものであった.
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