原著
Eruptive Cellular Naevi
山本 綾子
1
,
坂本 ふみ子
1
,
鷲尾 勝
2
Ayako YAMAMOTO
1
,
Fumiko SAKAMOTO
1
,
Masaru WASHIO
2
1新潟大学医学部皮膚科教室
2新潟市民病院皮膚科
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
2Section of Dermatology, Niigata Shimin Hospital
pp.9-16
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202965
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16歳,女子にみられたeruptive cellular naeviの本邦第1例と思われる症例を報告した.本例は1年前より誘因なく.背部から大腿にかけて多発性の皮疹が出現した,新しい皮疹は淡紅色の柔らかい小丘疹であるが,数週から数カ月の経過で扁平化し,色調も茶褐色へと変化する.その性状から皮疹をtype 1〜3の3型に分類し,おのおのの組織学的,電顕学的特徴を検討した.電顕的には腫瘍細胞は大型の不整形の胞体に変形の強い,一部に切れ込みや偽性核封入体のみられる核を有し,羽毛状からellipsoid型のeumelano—someと,inner lamellar structureを有さないかあるいは不完全なメラノソームが共存し,melanosome complexも存在するなど特異な所見を示した.
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