Japanese
English
原著
皮下型環状肉芽腫—圧痛を伴った1例
Subcutaneous Granuloma Annulare:Report of a Case with Tenderness
木村 俊次
1
Shunji KIMURA
1
1日野市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hino City Hospital
pp.1061-1066
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202950
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1歳2カ月女児に2週間来生じた圧痛ある皮下型環状肉芽腫の1例を報告した.本例は頭頂部に2個,左右下腿伸側にそれぞれ1個,2個,計5個の皮下結節を有する.これらの結節は大豆大〜碗豆大,弾性硬で,2個を除き被覆皮膚・下床と可動性である.被覆皮膚には著変をみない.組織学的に結節は皮下脂肪織内の類壊死巣とその周囲の柵状肉芽腫とを特徴とし,血管の壊死像や小血管の増生像も認められる.類壊死部には酸性および中性粘液多糖類の沈着が著明である.本例はリウマチ性疾患を思わせる全身症状,理学的所見,検査成績を欠き,未治療にて経過観察したが,1カ月半後結節新生をみたものの半年後には結節の消褪もみられ,自然治癒傾向が窺える.皮下型環状肉芽腫の既報告例を中心に,その臨床所見,組織所見,および位置づけ・病因について若干の考察を加えた.自験例における圧痛の原因としては神経系の関与が考えられた.
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