Japanese
English
原著
Behçet病との鑑別が困難であったSweet病の2例
Two Cases of Sweet's Disease Closely Resembling Behçet's Disease
増田 智栄子
1
,
中嶋 弘
1
Chieko MASUDA
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
pp.985-989
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202938
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要約 Behçet病と鑑別困難であったSweet病の2例を報告した.症例1は51歳,男.2年来,顔面,前腕などに浸潤性隆起性紅斑ないし痤瘡様皮疹をくり返し生じ,ときに発熱,関節痛,アフタ,陰部潰瘍,軽い紅彩毛様体炎を伴うred eyesなども生じた.白血球増多,皮疹部の好中球浸潤などもあり,ヨードカリが有効であった.症例2は56歳,女.7年来,主に顔面,四肢に浸潤性隆起性紅斑ないし痤瘡様皮疹,発熱,アフタなどが出没し,ときに結節性紅斑様皮疹も生じた.針反応も陽性であり,白血球増多,皮疹部好中球浸潤も認められた.両例ともSweet病の4主徴を有するが,Behçet病としての前者は4主徴,後者は2主徴を有し,Behçet病との鑑別が困難であった,両疾患は定型例でみる限り別症と考えるが,近縁の疾患と思われ,鑑別困難な症例も少なくないものと思われる.鑑別点を中心に若干の考察を試みた.
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