増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
天疱瘡・類天疱瘡関連抗体
青山 裕美
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学
pp.445-446
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223343
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検査の概要
天疱瘡・類天疱瘡を含む自己免疫性水疱症では,接着分子に対する自己抗体が表皮細胞の接着力を低下させるため,全身に表皮内水疱や表皮下水疱が生じる.天疱瘡では表皮細胞間接着構造デスモソームの構成分子デスモグレイン1,3に対する自己抗体が,類天疱瘡では表皮真皮境界接着構造であるヘミデスモソームの構成成分であるBP180に対する自己抗体が検出される.
天疱瘡関連抗体である抗デスモグレイン1抗体と抗デスモグレイン3抗体,類天疱瘡関連抗体の抗BP180抗体は,マイクロカップに固相化されたリコンビナント蛋白を基質として測定するenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法と,磁性粒子結合させたリコンビナント蛋白を基質として測定する化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay:CLEIA法)にて,抗体価の定量が可能である.いずれの場合も検出されるのはIgG抗体である.
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