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Dermatology in a Changing Wo—rldをモットーに第16回国際皮膚科学会は,1982年5月23日から28日まで6日間の会期で,新緑の美しい東京で開催された.93年に及ぶ国際皮膚科学会の歴史を通じ,開催地がヨーロッパ,アメリカ大陸を離れ,極東の地,東京を選んだのは意義のあることであった.今学会の登緑者は同伴者を含めると世界の75カ国から2,614名,我が国から2,922名,総計5,536名の多数に達した.演題数は1,600題を上回り,質量ともに空前の規模の国際学会である,本国際学会にかける関心が世界的に高かったと考えられる.1982年東京学会が決定したのは1977年,Mexico Cityの第15回学会においてである.以来,5年の長期間,名誉会頭安田利顕教授,会頭久木田淳教授,事務総長清寺眞教授を中心に,日本皮膚科学会,国際皮膚科学会組織委員会をはじめ関係各位の並々ならぬ御尽力があった.学会開催に向けて遺漏なく企画,準備作業が継続されたことも,我々の熟知するところである.東京学会は,全会期を通じ運営は驚異的な円滑さで行なわれ,絶好の晴天に恵まれ,参加者は東京学会の大成功に惜しみない賛辞をおくった.誠に御同慶に耐えない.
学術発表に先立ち,5月23日午後,学会開会式が挙行された.Inter—national Committee of Dermatology会長Otto Braun-Falco教授,本学会会頭久木田淳教授の開会挨拶にひきつづき,Marchionini Gold Me—dalが皮膚科学の発展と国際交流に努められたBraun-Falco教授に贈呈された.Marchionini賞は,神保孝一札幌医科大学助教授とスエーデン国ウプサラ大学Anders Vahlquist教授に夫々贈られた.神保助教授は色素細胞,悪性黒色腫の研究が高く評価されたわけである.折角の東京学会に我が国から同賞受賞者が選出されたのは感激的で,同君の今後益々の学問的発展を祈る次第である.Vahlquist教授はビタミンA,レチノイドに関する秀れた研究者である.
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