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報告
第7回国際解剖学会の印象
Impression of the Ⅶth International Congress of Anatomists
安澄 権八郎
1
Gompachiro Yasuzumi
1
1奈良医科大学解剖学教室
1Department of Anatomy, Nara Medical College
pp.256-258
発行日 1960年10月15日
Published Date 1960/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906153
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第7回国際解剖学会がニューヨーク市のスタットラー・ヒルトンホテルで昭和35年4月11日〜16日に開催された。一般講演以外に特に「細胞の微細構造」に関するシンポジウムがアメリカ解剖学会会頭H.Stanley Bennett教授の肝入りで開かれ,著者はこのシンポジウムで講演する光栄に浴した。学会中細胞の微細構造について興味あると思われる講演を出来るだけ聴くように心がけた。この記録はその印象を簡単にまとめたものである。
細胞,組織の構造を電子顕微鏡的観察なしには,語ることができない時代となつたことを国際解剖学会において一層印象付けられた。生命の単位を細胞と考えた時代は17世紀のことであつて,現代は数乃至数10オングストロームの核タンパク分子をもつて生命の単位と見做す時代であるから当然と言えば当然であるが,飜つて日本において,各生物学者,医学者が旧態依然として,分解能不充分な光学顕微鏡に頼つて細胞学を論じている状態は,どう考えても時代おくれの感がある。
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