Japanese
English
原著
Angioleiomyoma:嚢腫様構築を示した1例
A Case of Angioleiomyoma Showing Cystic Structure
加藤 光子
1
,
堀越 貴志
1
,
千葉 雅史
1
,
神保 孝一
1
Mitsuko KATOH
1
,
Takashi HORIKOSHI
1
,
Masahito CHIBA
1
,
Kowichi JIMBOW
1
1札幌医科大学皮膚科講座
1Department of Dermatology, Sapporo Medical College, Sapporo
pp.865-870
発行日 1982年9月1日
Published Date 1982/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202701
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自験例は左下腿の皮下腫瘤を主訴として来院した25歳,女性である,臨床診断は,dermatofibromaとされ,組織学的所見からは,Antoni A型のneurilemmomaかまたは,angioleiomyomaが疑われた.組織学上,腫瘍は結合織性の薄い被膜に囲まれ,中央部は粘液変性をおこし,嚢腫様の構築を示していた.腫瘍細胞はMallory染色で赤色に染まり陽性所見を呈したために.神経細胞由来かまたは筋細胞由来を思わせた.電子顕微鏡下で腫瘍細胞は基底膜を有し,細胞質内には筋細胞の特徴を示す50Åのfilamentおよびdense bodyが束状に密に集積していた.以上の所見から,自験例は嚢腫様の構築を示したangioleiomyomaであると確定診断した.各種の腫瘍性疾患の診断にあたっては,電子顕微鏡的所見が極めて有用であることを強調したい.
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