Japanese
English
原著
B-KMole Syndrome(Sporadic Nevi)の1例
A Case of B-K Mole Syndrome (Sporadic Nevi)
堀越 貴志
1
,
阿久津 裕
1
,
本間 光一
1
,
高橋 博之
1
,
神保 孝一
1
Takashi HORIKOSHI
1
,
Yutaka AKUTSU
1
,
Koichi HONMA
1
,
Hiroyuki TAKAHASHI
1
,
Kowichi JIMBOW
1
1札幌医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Sapporo Medical College
pp.521-526
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202643
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21歳男.躯幹,上腕に,長径10mm大の,辺縁不整で一部に"しみ出し様"現象を有する,円形〜楕円形の非隆起性の色素斑が多数存在し,2〜3mm大の色素斑も含めると,全身に100個以上存在した.色素斑の色調は,赤褐色,茶褐色,黒色が混在し多彩であった.10数個の色素斑は,幼少時から存在していたが,18歳頃から,急激に数が増加し,長径が大きくなり,同時に色調も多彩となってきた.家族に同症はない.組織学的に,異型melanocyte(MCと略す)が,表皮堰底層に増生し,また比較的大きな胞巣形成,junctional activity,casting offを認め,真皮では,異型MC周囲の小円形細胞浸潤,乳頭層の膠原線維の増生を認めた.真皮に存在する異型MCは,通常の複合母斑に認められるneurotizationの構築を呈しなかった.真皮中層の異型MCにも,melaninの産生を認めた.自験例を,B-K mole syndromeのsporadic neviと診断し,将来malignant melanomaに移行する危険性が高いと考え,長径10mm前後の大型の色素斑を切除した.電顕にて,異型MCの細胞質に,主としてspherical granular structureのmelanosomeを認めた.異型MCが,nevocyte由来であることを示唆した.
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