これすぽんでんす
網状肢端色素沈着症—金本氏らの論文を読んで
荒川 保徳
1
1秋田県比内町立扇田病院
pp.306
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202608
- 有料閲覧
- 文献概要
本症の発生分布については東日本皮膚科学会(昭56,9月.秋田)でも討論がなされ興味深く拝聴した.東大江上波夫教授(東洋史・考古学)は縄文時代人が日本全土に行き渡っていたところに,弥生時代以降,農耕民族や騎馬民族が入って来て縄文人は南北に分けられ,その結果,九州北部から瀬戸内を通って畿内,伊勢湾あたりとその外側(九州南部を含む)では頭の形も気質も違うと云う.また京都芸大梅原猛教授(哲学)も縄文時代人の日本に弥生時代人が進入し,九州〜近畿地方を中心にして日本国を統一し,日本固有の土着民は北と南に追われ,その結果,人種において,言葉において,また風習においても琉球がアイヌに似ていると云っている.こうしてみると此の病気のルーツは案外,縄文時代にまでさかのぼるのではあるまいか.非常にロマンを秘めた疾患のように思われる.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.