Japanese
English
原著
いわゆるGranular Cell Tumor—頭皮に生じた1例の報告と本症の起源についての考察
So-called Granular Cell Tumor : Report of a Case with the Lesion on the Scalp and the Review of the Literature on the Origin of the Tumor
大山 克巳
1
,
平井 昭男
1
,
木村 俊次
1
Katsumi OHYAMA
1
,
Akio HIRAI
1
,
Shunji KIMURA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.687-692
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202467
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1)36歳,女子右側頭部頭皮に生じたいわゆるgranular cell tumorの1例を報告した.
2)頭皮発生例は従来の本邦例には認められず,本邦第1例と思われる.
3)組織学的に定型像を示したが,ズダンⅢ染色一部陽性で,立毛筋との部分的連続性も認められた.
4)電顕的に腫瘍細胞は部分的に基底板様構造を有し,種々の電子密度を有する大小の顆粒に富む.Angulate bodyは間質の細胞に多数認められたが,腫瘍細胞自体にも少数認められ,かつ,通常の顆粒とangulate bodyとの移行像を思わせる構造も認められた.
5)本腫瘍の起源に関する諸説を概観し,自験例では多元説を支持した.
6)自験例で認められた腫瘍下方の小動脈内腔狭窄所見は,本腫瘍増殖が反応性であることを示唆する.
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