Japanese
English
原著
単純性血管腫に対するアルゴンレーザー治療の組織学的検討
Argon Laser Treatment of Port-wine Stains-Correlation to their histological types
鈴木 茂彦
1
,
森口 隆彦
2
,
井上 邦雄
2
Shigehiko SUZUKI
1
,
Takahiko MORIGUCHI
2
,
Kunio INOUE
2
1静岡労災病院形成外科
2浜松医科大学皮膚科形成外科診療室
1Department of Plastic and Reconstructive Surgery of Shizuoka Rosai Hospital
2Department of Dermatology, Unit of Plastic and Reconstructive Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
pp.1123-1129
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202340
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
昭和54年1月から55年2月までに,91例の単純性血管腫患者に対し,アルゴンレーザー照射を行った.このうち72例について,照射前および照射後に皮膚生検を行い,組織学的に検討し,臨床効果との関係を考察した.
照射前の組織像を,まず毛細血管の拡張程度から,Ⅰ.毛細血管がほとんど拡張していないもの,Ⅱ.拡張血管と拡張していない血管が混在しているもの,Ⅲ.ほとんどの血管が拡張しているもの,の3通りに分け,さらに,Ⅱ型,Ⅲ型を拡張血管の分布から,S.真皮上層にとどまっているもの,d.真皮令層に及んでいるもの,の2段階に整理し,全部で5つの組織型に分類した.
この分類にしたがって照射前後の組織像を比較したところ,組織学的にみた治療効果はⅡs型,Ⅲs型が最もすぐれ,Ⅲd型,Ⅱd型と続き,Ⅰ型が最も劣ることがわかった.また照射後6ヵ月以上経過した45例を組織別に分け,臨床効果を調べた結果も同様であった.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.