Japanese
English
原著
アポクリン汗腺癌—Apocrine Spirocarcinomaと考えられる1例
A Case of Apocrine Adenocarcinoma, Probably Originated from Its Secretory Portion
斎田 俊明
1
,
土屋 真一
2
Toshiaki SAIDA
1
,
Shinichi TSUCHIYA
2
1埼玉県立がんセンター皮膚科
2埼玉県立がんセンター病理部
1Dermatology Clinic, Saitama Cancer Center Hospital
2Department of Pathology, Saitama Cancer Center Hospital
pp.947-953
発行日 1980年10月1日
Published Date 1980/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202311
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66歳の女の左腋窩に生じた略鳩卵大の紅色隆起性腫瘤.組織学的には充実性胞巣が真皮浅層から深部にまで密に存在,腫瘍細胞は大型の多角形細胞で,エオジンに淡染する豊富な胞体と異型性の強い大型の核を有している.PAS染色とAlcian blueは,ごく一部の細胞にのみ陽性.酵素組織化学的には,ほぼ典型的なapocrine系のパターン.電顕的にはmicrovilli,分泌顆粒,細胞間分泌細管などが認められたが,tonofilamentはほとんどみられない.これらの諸所見を総合して,本腫瘍をapocrine汗腺の分泌腺細胞に由来する癌,即ち三島らの分類におけるapocrine spirocarcinomaであると診断した.apocrine汗腺癌の分類および乳房外Paget病との関係などにつき,若干の考察を加えた.
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