Japanese
English
原著
白斑初期発症時における2症例の病変部皮膚の光顕的電顕的検索
Light and Electron Microscopic Studies of Cutaneous Lesions of Two Cases at Initial Stage of Leucoderma
野崎 憲久
1
,
水野 栄二
1
Toshihisa NOZAKI
1
,
Eiji MIZUNO
1
1愛知医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Aichi Medical University
pp.799-808
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202287
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発症後数日ないし3ヵ月の白斑初期病変と思われる2症例(17歳,30歳,女)の,1例は顔面,頸部の限局例,他の1例は汎発例で最近腰部に発症したものにつき,光顕的,電顕的に検索した.光顕的には2例とも表皮し層におけるメラニン顆粒の排出促進,一部に水疱形成あり真皮内には種々の程度の血管周囲性浸潤を認め,電顕的にはメラノサイトの胞体内には僅少,樹枝状突起の末端部にメラノソームを豊富にみとめ,メラノソーム複合体の形をとるものが存在すること,メラノソームや細胞残渣物を貪食したマクロファージの表皮基底膜通過像を2例それぞれに観察したことより,メラノソームのメラノサイトからケラチノサイトへの移行障害を疑わせた.また炎症性と見られる機序によりケラチノサイトの変性,壊死を来し,表皮内でマクロファージにより貪食されて真皮内に滴落するpathwayも考えられた.
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