原著
Poststeroid Panniculitis
照井 寿代
1,2
,
笠井 達也
3
,
三浦 幹枝
3
,
宍戸 春美
4
Hisayo TERUI
1,2
,
Tatsuya KASAI
3
,
Yoshie MIURA
3
,
Harumi SHISHIDO
4
1国立仙台病院皮膚科
2東北大学医学部皮膚科教室
3国立仙台病院皮膚科
4国立仙台病院小児科
1Department of Dermatology, Sendai National Hospital
2Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
3Department of Dermatology, Sendai National Hospital
4Department of Pediatrics, Sendai National Hospital
pp.473-480
発行日 1975年6月1日
Published Date 1975/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201443
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特発性ネフローゼ症候群にてステロイドの長期大量投与を受けた3歳および4歳の2例の男児において,ステロイドの減量中に発生せるPoststeroid panniculitisの症例報告.両例とも長期間にわたり高コレステロール血症の状態にあり,ステロイドの減量に伴い血清総コレステロール値の低下をみると同時に,本症の発生をみた.第2例は発熱を伴い,かつ長期にわたり発疹の新生,消退を反復.第1例は全身の肥満傾向があり,潮紅を伴う有痛性硬結性結節が顔面,四肢に広く多発したが,第2例は顔面,躯幹に比して四肢が細く,発疹も四肢には余り生じなかつた.すなわち,本症の皮疹はステロイド投与により異常に脂肪の蓄積をみた部位に一致して生ずる傾向を示す.本症はステロイド投与の結果としての脂質代謝異常に深く関与するが,この点に関し,内外の既報告例を概観して,発症機序にも若干の考察を加えた.
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