Japanese
English
原著
転移性皮膚癌—微細構造について
Metastatic Carcinoma of the Skin:An Electron Microscopic Observation
下田 祥由
1
,
梅沢 明
1
,
福原 俊子
1
,
内田 博子
1
,
千葉 紀子
1
Nagayoshi SHIMODA
1
,
Akira UMEZAWA
1
,
Toshiko EUKUHARA
1
,
Hiroko UCHIDA
1
,
Toshiko CHIBA
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
pp.911-917
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202128
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転移性皮膚癌の光顕組織より原発巣を的確にきめることは比較的困難とされている.今回おれわれは光顕的にはいずれも腺癌,単純癌の像を示した胃,大腸,乳腺からの皮膚転移巣計7例の微細構造を検討した.胃癌からの皮膚転移巣では微絨毛構造,粘液分泌顆粒,副細胞,壁細胞,印環細胞など胃粘膜の特徴がみられ,大腸癌からの転移巣には粘液分泌顆粒が豊富な細胞,乳癌からの転移巣には同じく乳腺特有な分泌顆粒および小胞体が豊富でありかつ筋原線維,小胞などが認められた,それぞれ原発臓器の特徴ある微細構造を皮膚転移巣においてもとどめており,より的確に原発巣を推定し得た.今後さらに原発巣不明の転移巣における症例の検討が必要かと思われる.
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