Japanese
English
原著
頸部に結節状皮疹を伴った顔面播種状粟粒性狼瘡の1例
A Case of Lupus Miliaris Disseminatus Faciei with Nodules on the Neck
村木 良一
1
,
木村 俊次
1
Ryoichi MURAKI
1
,
Shunji KIMURA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.305-309
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202208
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
33歳男子,3ヵ月来鼻背,眼瞼周囲に紅色小丘疹出現,次第に顔面全体に拡大,1ヵ月前よりさらに頸部に大小の皮下結節が出現した.顔面の皮疹は定型的であったが,頸部の皮疹はほぼ正常皮膚に覆われた皮下結節の形を呈した.組織学的には顔面,頸部とも中心部に乾酪壊死層を伴う定型的な結核結節であり,頸部の小結節では最外層の小円形細胞浸潤を殆んど欠如していた.抗酸菌染色はいずれも陰性であった.本症の頸部発生頻度について多数例の報告を検討したところ,1,2の報告を除き大部分は1〜2%と低値を示し,教室例についても同様の傾向がみられた.頸部発生頻度の低い理由,また組織学的に乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を形成する機序について文献的に若干の考按を加えた.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.