Japanese
English
原著
いわゆるMulticentric Pigmented Bowen's Disease—2例の報告と本症の位置づけ
So-called Multicentric Pigmented Bowen's Disease:Report of Two Cases and Assignment of the Disease
木村 俊次
1
,
仲 弥
1
,
佐藤 則子
1
Shunji KIMURA
1
,
Wataru NAKA
1
,
Noriko SATOH
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio Univerity School of Medicine
pp.223-228
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202197
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最近新たに本症の2例を経験した.症例1は33歳女子で,左大陰唇下半部,両大陰唇下端部,および右小陰唇に黒褐色丘疹多発し,これに右大陰唇の尖圭コンジロームを合併.症例2は24歳女子で,後交連部から会陰部にかけて黒褐色丘疹を混じる黒褐色示指頭大の局面状皮疹が単発,2例の黒褐色皮疹の組織像はともにボーエン病のそれに一致し,尖圭コンジロームも定型的な組織像を示した,電顕的には尖圭コンジロームのみならず,2例の黒褐色皮疹にも,表皮上層のケラチノサイト核内に直径30〜40nmの電子密な円形粒子が見出された.この粒子はヒト乳頭腫ウイルスに形態学的に類似しており,これに種々の臨床的事項を考え併せると,本症は尖圭コンジロームと近縁の疾患であって,広く疣贅の範疇に含められるものといわざるをえない.
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