Japanese
English
原著
Mucinous(Adenocystic)Carcinoma of the Skinの1例
A Case of Mucinous (Adenocystic) Carcinoma of the Skin
北村 和子
1
,
亀田 洋
1
,
内山 光明
1
,
中嶋 弘
1
Kazuko KITAMURA
1
,
Yo KAMEDA
1
,
Mitsuaki UCHIYAMA
1
,
Hiroshi NARAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
pp.125-130
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202183
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45歳,女性,mucinous(adenocystic)carcinoma of the skin(以下MCSと略)の1例を報告した.本例は他に内臓悪性腫瘍の合併はなく,広範囲切除およびリンパ節廓清術を施行し,発症より約9年,術後1年3ヵ月後の現在も健在である.組織像では腫瘍は線維性の梁で多胞性に分室され,異型性のある腫瘍細胞の小さな集団が各々の嚢胞内に貯溜した粘液物質に取り囲まれて存在した.組織化学では,粘液物質はPAS陽性(ジアスターゼ消化抵抗性),コロイド鉄陽性(ヒアルロニダーゼ消化抵抗性),アルシアンブルーpH2.5で陽性(シァリダーゼ消化性)pH 1以下で陰性,ムチカルミン陽性で,シアロムチンの存在が推察された.組織像およひ組織化学所見はMendozaらの提唱した汗腺癌の異型であるMCSに該当した.電顕像では腫瘍はデスモゾーム,張原線維を有し,微細線維,グリコーゲン顆粒が豊富に存在し,分泌顆粒が認められ分泌上皮を示唆する所見が得られた.酵素組織化学的所見は,汗腺分泌上皮部に矛盾しなかった.
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