今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床
リンパ組織の主な病気
Immunoblastic lymphadenopathy
西成田 進
1
,
天木 一太
1
1日大第1内科
pp.1250-1253
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206739
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はじめに
リンパ節腫脹をきたす疾患には,腫瘍性の悪性リンパ腫と,さまざまな原因によって起こる反応性リンパ節腫脹とがある.しかし,リンパ節の増殖においては,上皮性組織の増殖の場合よりも悪性と良性の区別がむずかしく,境界領域と考えられるものも少なくない.Hodgkin病は,臨床経過,予後の面からは悪性のようにみえるが,組織像の上からは反応性所見が著明で必ずしも悪性とは言いがたい.
ここに述べようとする疾患は,Hodgkin病に似ているがReed-Sternberg細胞を欠き,全身性リンパ節腫脹,肝脾腫,発熱および多クローン性高グロブリン血症を示す疾患で,多くは進行性で予後が悪い.このような疾患があることは以前から気づかれており,その一部は,lymphoreticulosishyperglobulinemica1)などと呼ばれていたが,最近,Lukesら2)によってimmunoblastic lymphadenopathy,Frizzeraら3)によってangioimmunoblastic lymphadenopathyとよばれ注目を集めるようになった.そこで,前記の2つの文献に示されている症例について簡単に紹介し,私たちの見解を述べてみる.
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