Japanese
English
原著
Hallopeau型増殖性天疱瘡の1例
A Case of Pemphigus Vegetans-Ilallopeau type
森口 道子
1
,
田上 八朗
1
,
青島 忠恕
1
,
大井 正俊
1
,
山田 瑞穂
1
Michiko MORIGUCHI
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Tadahiro AOSHIMA
1
,
Masatoshi OOI
1
,
Mizuho YAMADA
1
1浜松医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine
pp.815-819
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202115
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症例は34歳,女.皮疹は口腔粘膜,頭部,腋窩,臀部に限局し,その主体は紅暈を伴う小膿疱であった.組織学的には,増殖性天疱瘡の像を示した.螢光抗体直接法で,表皮細胞間にIgG,C3の沈着を見,間接法で,天疱瘡抗体を証明した.この抗体価は,表皮細胞間にくらべ毛嚢上皮細胞間で高く,皮疹部位との関連性から興味が持たれた.
またHallopeau型増殖性天疱瘡に対して,この疾患は膿皮症であるという説も多く,本例で天疱瘡抗体を証明したことは,この疾患の病態を論議する際に重要な論点になると思われる.
治療は,副腎皮質ホルモン剤と金製剤を併用し,非常に良好な経過をとった.しかしその経過中に,白血球数増加,好中球核左方移動,異型単核球の出現を見,治療との関係が考えられた.
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