Japanese
English
原著
増殖性天疱瘡(Hallopeau型)の1例
A Case of Pemphigus Vegetans (Hallopeau Type)
荘 由紀子
1
,
木村 俊次
2
,
加茂 紘一郎
2
,
籏野 倫
2
Yukiko SHO
1
,
Shunji KIMURA
2
,
Koichir KAMO
2
,
Hitoshi HATANO
2
1警友総合病院皮膚科
2慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keiyu General Hospital
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.847-853
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202294
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症例:80歳,女子.主訴:外陰部の腫瘤性皮疹.組織学的に,好中球・好酸球を多数含む表皮内膿疱を形成し,増殖性天疱瘡に一致する像を呈するも,前後2回にわたる螢光抗体法による抗表皮細胞間抗体の検索では,直接法・間接法いずれも陰性を示した.
治療:広域右効抗生物質に多少反応するも,完治せず.副腎皮質ホルモン剤内服により,色素沈着を残して治癒した.
自験例の診断に関して,螢光抗体法陰性の成績から増殖性天疱瘡とするにはやや難があり,増殖性膿皮症の診断も考えられた,治療に対する反応性等から表記診断としたが,本症の病因については未だ明確にされておらず,今後さらに自己抗体の検索等による検討が必要であろう.
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