Japanese
English
原著
表皮細胞核にSpeckled型抗核抗体のみられた症例について—抗RNP抗体価と補体結合能の検討
Cases with Speckled Epidermal Nuelear Immunofluorescence: Titer of AntiRNP Antibody and Ability of Fixing Complement
岩月 啓氏
1
,
田上 八朗
1
,
山田 瑞穂
1
,
森口 道子
2
,
佐野 勉
3
Keiji IWATSUKI
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Mizuho YAMADA
1
,
Michiko MORIGUCHI
2
,
Tsutomu SANO
3
1浜松医科大学皮膚科教室
2遠州総合病院皮膚科
3静岡県立中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine
2Division of Dermatology, Enshu General Hospital
3Division of Dermatology, Shizuoka Prefectural Central Hospital
pp.649-654
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202663
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
螢光抗体直接法にて,表皮の細胞核にspeckled型抗核抗体の認められた14例の臨床症状と抗核抗体の性状につき検討した.12症例より得られた血清試料については抗RNP抗体価を測定し,その補体結合能について,SLE患者血清を対照として検討した.対象とした14例には,臨床所見よりSLEと考えられる2例,MCTDの1例のほかに,確定診断に至らない不全型のいわゆる膠原病が11例含まれていた.しかし,検索した血清のすべてに高値の抗RNP抗体が認められた.つまり,表皮細胞核へのspeckled型抗核抗体沈着は高値の抗ENA抗体,とくに抗RNP抗体を有することの表現型であるが,MCTDに特異的な所見ではなかった.臨床症状ではRaynaud現象を示す頻度が高かった.また,抗RNP抗体はSLE患都血清中の種々の抗核抗体とくらべ,遜色のない補体結合性を持っていた.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.