Japanese
English
原著
咬爪症
Onychophagia
東 禹彦
1
Nobuhiko HIGASHI
1
1関西医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kansai Medical University
pp.411-414
発行日 1979年5月1日
Published Date 1979/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202060
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咬爪症を主訴として皮膚科を受診する患者はなく,皮膚科を受診する場合には爪の異常を主訴として来院する.爪の異常を主訴として来院した患者中27名の咬爪症を見い出した.発症は小児期が大多数で,男女比はほぼ1:1であった.罹患爪甲数は27例中21例で全指爪甲に変形がみられ,2爪甲以下の罹患例はわずか3例にすぎなかった.臨床症状では爪甲の短縮が27例中25例に認められた.その他,横溝,爪廓炎,縦条,爪甲の破壊,爪甲白斑,爪甲剥離などを伴う例があった.発症の誘因としては社会環境,とくに対人関係における変化が重要と考えられた.爪の変形を主訴として受診するので,医師が臨床所見に基づいて,咬爪症であることを診断することが肝要であり,小児の場合には大抵治癒するので,そのためにも医師による発見が重要である.
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