Japanese
English
原著
Behcet病の皮膚病変の病理形態
PATHOMORPHOLOGY OF SKIN LESIONS IN BEHCET DISEASE
所 安夫
1
,
瀬戸 輝一
1
,
阿部 由明
1
,
高橋 久
2
,
高橋 吉定
2
Yasuo TOKORO
1
,
Terukazu SETO
1
,
Yoshiaki ABE
1
,
Hisashi TAKAHASHI
2
,
Yoshisada TAKAHASHI
2
1帝京大学医学部第1病理学教室
2帝京大学医学部皮膚科教室
1Department of Pathology, Section I, Teikyo University, School of Medicine
2Department of Dermatology, Teikyo University, School of Medicine
pp.1011-1020
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201677
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39例のBehcet病の皮膚を材料として,その臨床と病理とを対比させつつ,特に詳細な病理組織学的観察をこころみた.皮膚病変の臨床所見はきわめて多彩であるが,独特な個性を示すことなく,又同一人の身体各所皮膚に長い経過中種々の異つた病変が継発多発する.病理組織学も又臨床を反映して多彩を極める.病変は必ずしも本質的に同一の枠に入れられない.便宜上,組織像によつて病変を分類すると,(Ⅰ)血管を主座とす,(Ⅱ)直皮と皮下脂肪織の両域を広く主座とす,(Ⅲ)直皮又は皮下脂肪織の一方に概ね限局す,(Ⅳ)毛のう或は附属器を主座とす,以上4型の病変星座的分類をうる.この4型の一部は別として大半は,組織型と臨床所見とがピッタリ対応しない.4型に分類された全ての内容は,どれ一つも特異性を欠く.即ち他病変と異ならぬ.結局,皮膚病変はカレイドスコープを見る如く,予めBehcet病患者と教えられない限り,組織像のみから本疾患と診断しえない.ちなみに皮膚は,第1次因の不明な本症解明に貢献すること誠に乏しい.
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